任天堂がゲーム開発コスト上昇に警鐘

著者: Anthony Dec 06,2025

任天堂は、Switch 2時代におけるゲーム制作のリスク増大への対策として、特定のゲームプロジェクトの開発サイクルを短縮する方針を示した。

任天堂の古川俊太郎社長は最近の投資家向け説明会で、プロジェクトの大規模化や高精細化、そして消費者価格の上昇により開発予算が増大しており、もともと「ハイリスクな事業」であるゲーム開発のリスクがさらに高まっていると述べた。

これに対処するため、古川社長は、より短い期間で一部のゲームソフトを制作することを検討している可能性のある解決策として言及した。

新たに翻訳された投資家向けQ&Aで、同社社長は、より多くの時間とリソースを必要とするプロジェクトが開発予算を押し上げていることを認めた。これらのコストを消費者価格の引き上げで回収する選択肢はあるが、それがゲームを購入できる、または購入意思のある人の数を減らす可能性がある。

古川社長は、「現代のゲームソフト開発は規模と期間が拡大し、開発費用の増加につながっている」と指摘。「ゲーム業界は常にハイリスクであり、コスト上昇がそのリスクを増幅していることを認識している」と述べた。

任天堂Switch 2は、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のような主要タイトルを70ドルで販売し始めてから一世代後、同社初の80ドルゲーム『マリオカート ワールド』とともに発売された。

質問への回答で、任天堂は以前、『マリオカート ワールド』の価値はその価格を正当化するものであり、すべてのタイトルにおける新たな標準価格を設定するものではないと主張した。代わりに、同社は変動価格制を採用する計画であり、それは10ドルのミニゲーム集『Nintendo Switch 2 ウェルカムツアー』や今後発売予定の70ドル級大作『ドンキーコング バナンザ』に見られる。

それでも古川社長は、予算を管理可能な範囲に収め、できるだけ多くのプレイヤーが購入可能な価格を維持しながら、ファンが期待する「新規性」を提供し続ける方法を模索していると強調した。

「当社の開発チームは、プロジェクトの規模と期間が増大する中で、独自のゲーム制作アプローチを維持するためのさまざまな戦略を探求しています」と古川社長は続けた。「開発の効率化を図る施策への投資は不可欠であると考えています」

こうした戦略の一つが、開発サイクルの短縮である。これは、任天堂が品質を維持しつつ、コスト効率を保つためにプロジェクトの範囲や規模を限定する可能性があることを示唆している。

「また、より短い期間で開発しながらも、新鮮な体験を提供できるゲーム制作は可能であると考えています」と、具体的な例を挙げることなく古川社長は結論づけた。「我々はこれを、開発費とゲーム価格の上昇に対する潜在的な解答と捉え、社内で多角的に検討していく」

任天堂は以前、Wii Sportsのように無料で同梱するのではなく、『Nintendo Switch 2 ウェルカムエディション』を10ドルで販売したことでファンからの批判に直面した。同社はまた、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と『ティアーズ オブ ザ キングダム』の両方のアップグレードに10ドルを課金しており、『スーパー マリオパーティ ジャンボリー』の所有者は、新モードを備えたSwitch 2版にアップグレードするために20ドルを支払う必要がある。